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アンネの日記
 小学校の何年生の時かは覚えていないが、あの事件だけは今もハッキリ覚えている。

 ある日僕は珍しく学校にポケットティッシュを持っていた。それがなぜ珍しいかと言うと、出かける時にハンカチとティッシュを持って行くのは当たり前のことかもしれないが、当時の僕は、ハンカチやティッシュを持ち歩くのは女かオカマだと勝手に決めつけていたからだ。
 Q. 手を洗ったときはどうする?
 A. ズボンがあるではないか!
 Q. 鼻水が出たときはどうする?
 A. 服の袖があるではないか!(最近ではほとんど見掛けなくなったが、当時の子供は青っ鼻を垂らしていた子が多く、そのほとんどが服の袖で鼻水を拭っていたためその部分がカピカピになっていた。これは珍しい光景ではなかったのだ。)
 Q. ウンコのときはどうする?
 A. ウンコは自分の家以外でするものではないと思っていたし、万が一学校でしたくなっても学校のトイレにはちゃんとトイレットペパーが備え付けてある。それに僕はトイレに入っても手を洗わない主義だったのだ。(今はちゃんと洗っているのでご心配なく!)
 だから当時の僕にとってハンカチやティッシュといった物は全く必要のない物だったのだ。
 だがその日は朝からお腹の調子が悪く下痢気味だったため、登下校中に途中にある公園のトイレに駆け込まなければならない可能性があったのと、公園のトイレには紙が無いのを僕は知っていたので、念のためポケットティッシュを持っていくこになったのだ。

 登校時と学校にいる間は下痢に襲われることなくなんとか乗り切ったのだが、下校時気が緩んでしまったのか突然便意が襲ってきた。
 「ヤバイ!!」
 僕は肛門に全神経を集中し、力一杯括約筋を締め上げ、両手を前後から股間に挟み、公園までの200メートル位をお腹に振動を与えないようにしながら少し内股で女走り状態で走った。

 なんとか漏らすことなく公園のトイレまで辿り着き、しばしくつろぎの時間を過ごした。
 ウンンコをし終わった僕はランドセルの中からポケットティッシュを取りだし、ティッシュの袋ごと手で握り潰しパン!と音をたたせ袋を開けた。この行為は僕のお姉ちゃんがこのポケットティッシュを持ってトイレに入る時にやっていたのを見て、僕も一度やってみたいと思っていたからだ。
 そして袋からティッシュを取りだしお尻を拭こうとしたときである。
 「何じゃこりゃ!!」
 中から出てきた物は普段使っているティッシュとは違い、かなり分厚く一枚しか入っていなかったのだ。しかも、変な形をしていて片面には両面テープらしき物までついているではないか。
 僕はしばらくの間お尻を拭くのも忘れ、何じゃこれと考え込んでしまった。が、すぐにそれがどういう物か分かってしまった。
 『なんだそういうことか!これはお尻を拭くときに間違って手が滑らないように手のひらにくっつけて使うんだな』そう確信した僕は、右の手のひらに丁寧に貼り付けた。
 『なるほど便利な物があるもんだ』と関心したと同時に『あれっ、これ一回しか拭けねぇじゃん』とも思ったが、それもすぐに解決した。
 要するにこれでお尻を拭くときは、手首の所から指先にかけて拭けば一回で済む。だからこんなに長いんだ。と妙に納得し『やっぱりこれは便利な物だ。しかも肌触りがいい』とあらためて関心してしまった。


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